自尊心

Netflixのオリジナル番組『クィア・アイ』を観た。すごく好きになった。
1話から、心が温まり、前向きな気持ちをくれる、元気をもらえる作品。


前の記事で、美しさは外見じゃないんだよ、と話をしたけど、でもじゃあ外見をまる無視できるかというと、そういうわけじゃない。
外見なんて全くの無関係!と、無意識でいられたらどんなにいいだろうと思うけど、なかなかそうできない。
わたしだって、外見で判断してることはたくさんある。何より、自分の顔のことは、そんなに好きじゃないこともある。
だからこそ、外見以外をみてよ!とより声を上げたくなるんだと思う。
外見がすべてじゃないって唱えても、どこかでずっと引け目は感じる。マーケティングホロコーストみたいなのにまんまとハマるなんて嫌だし、個々人の良さこそが美しさであって、それをひきたてる、その魅力を発揮することにこそ、美はあると思いながらも、習得は難しく、やっぱり他者の目線は違うとも思ってきた。


そういう呪いから解放されるのは、頭の中の言葉より、目の前の姿だ。


スーパーヒーローが平凡な外見だとして。腕力や跳躍力、超人的パワーを持っているのに、スーツとかTシャツにGパンとかで戦うより、ヒーローコスチュームの方が強くなれるきがしそう。(なんとなくワンパンマンのサイタマを思い浮かべる)
コスチュームに筋力増強が備わってるわけじゃなくても、鏡の前に立つ、ヒーローっぽい自分が心を強くしてくれるような、鼓舞してくれるような感覚。


上手く言えないけど、外見を好きになるって、自分の良さを映えさせるって、魅力をひきだすって、自分を愛するってことなんだ。自尊心。
言葉の持つ力だって信じてるし、大きいと思うけど、自分に似合うものを着る、もっと自分の良さを引き出してくれるものを身につけるのって、すごく晴れやかなことなんだ!と思った。


こういう変身番組は日本でもよくあるけど、あんまり好きじゃなくて。
変身前は、外見のことマイナスなように言うし、変身後も外見の良さこそ人の評価軸みたいな感じだから。
この番組は会ったときからずーっと、その人のどこがステキか、あなたのこういうところステキね!ってずっと褒めてて、もっと引き出したいわ!!ってプラスを加えてくれる、丸っきり変えるというより、よさを引き出す感じなのと、教養担当の人が、彼らの心のケアもして、心ごといっしょに連れてくところがものすごくいい。
だって、1番大事なのは本人の気持ち。
そこにきちんと寄り添えることが、笑顔を導いてると思うんだよなあ。


あなたはすてきなのよ!隠さないで!
プリティーハッピーな世界!


女性らしいって言うのは、花柄のワンピースが似合うってことだけじゃない
キュートもあればセクシーもある
自分のことを卑下する言葉を並べたくなったら何度でもプラスな言い換えを思い出して
自尊心は、自分を愛することは、昨日今日で身につくことじゃない
らしさ、に縛られてるのは、何も日本だけじゃないこと、黒人らしさや宗教の問題、いろんなカテゴライズやステレオタイプ、固定概念、先入観がそれぞれの社会にあって、たくさんの人が苦しんできてる。
立ち上がった人がいるから、対抗した人がいるから、少しずつ手に入れられた自由がある。
もう護られるばっかりの立場じゃないなって思うよ。


東京大学の祝辞もとてもすてきだったなあ。
たくさんの事件、ニュース、テレビ番組、周囲の人の発言を見聞きして、教育の敗北だなって思うこと増えてたけど、トップとして謳われる大学の祝辞が保守的ではないことは希望だなって思う。


諦めないって決めたから。まだまだ道の途中だし、やっと始まったかもって思うよ。
ここまでやってきたから大丈夫。
ゆっくりでも、それは後ろに下がってるんじゃなくて前に進んでるって、すごく気持ちを支えてくれる。